最近読んだ本、「写楽 閉じた国の幻」、「夢をまことに」

NO IMAGE

島田荘司、「写楽 閉じた国の幻」
写楽の大首絵の複製はわしも持って居る。あの迫力は素晴らしい。
一つは奴江戸兵衛というやつで、もう一つは市川團十郎やと思う。最初のやつ
がすごい。目を真ん中に寄せてぐいっと見栄を切っているまさにその瞬間だ。
目の周りの赤い隈取りが漲る力をより際立たせている。ぎりぎりと歯を食いし
ばり、両の手は触れたらはじきとばされそうだ。バックは雲母でべた塗りして
地味な黒がぎらぎらしている。こんな絵を当時の欧米人が見たら驚いたやろな
あって思う。歌麿や広重、北斎たちとは又違った魅力があるのだ。
しかし、写楽って誰? ということになると謎に満ちている。
突然現れて、一瞬の光を放って、忽然として消えた。
記録は何もない。
本当にその名の人がいたのか?
誰かがその時期だけ写楽を名乗っていたのか?
色んな説があって、いろんな本に描かれている。時にはテレビのドキュメンタリー
番組になって、いろんな解説者が出てきてまことしやかにそれなりの結論に導
こうとする。しかし未だに説得力のある回答がでていない。
それにしても、浮世絵の素晴らしさを作ってるのは一体何なんやろ。
下絵が凄いから?、彫り師が素晴らしいから?、擂り師の技術?、全部併せた
工房の力?、プロデュースする人の力?
どうなんやろ?
この本は、作者のある仮設に基づいて作られた小説のようだ。
写楽の一生を描くというのではなくて、その謎を解こうとあがく一人の男の
ものがたりだ。確かにここで展開される仮設はとても興味深い。説得力もある。
なるほどと思う所が多々ある。それなら、そんな人の物語を書いて欲しかった
と思う。東大の美人教授がでてきて、日本語、英語、オランダ語で活躍しなが
ら男を助けるなんてわざとらしすぎる。
でも仮説は面白い。

hon150803-1

山本兼一、「夢をまことに」
昔、彦根の田舎に国友一貫斎という鉄砲鍛冶がいた。
尋常ならざる技を持っていた上に、止まるところを知らない技術者魂を持って
いた。開国直前の日本だ。外国から正規、不正規にいろんなモノが入って来る。
好奇心の任せて、手に入ったものをバラして再現しようとする。
そのために、知識が足りなかったり、材料が足りなかったり、技量が足りなか
ってりすれば全力で何とかしようとする。
そういう情熱にはやはりついてくる人がいる。
いくら名人でも一人では何もできない。
それに、助けてくれる人もいる。
お金を出して買ってくれるひと、情報を与えてくれる人、保護してくれる人。
色んな人の助けで、一貫斎は日本の天才発明家とも言える、様々なモノを創り
あげていく。
空気砲、六分儀、万年筆、反射望遠鏡等々だ。
そういう人の生き様を描いた物語だ。
とても面白い。
元技術屋としてはとても興味深い。
背景の理論も知らないのに、形をまねる事から初めて、そこに到達できること
が尋常では無い。
前に行ったことのある、岐阜犬山城の城主、成瀬家とも密接な関係があったよ
うだ。犬山城やその界隈に何か残っているんやろか?
知ってたらもっと興味深く見れたのに残念だ。

hon150803-2

ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村

ありがとうございました。