熊野古道の旅ー12.小口自然の家到着

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胴切り坂を過ぎてもまだ下りは終わらない。いいかげんうんざりしてきた。しかし、道標は24番を過ぎた。
28番で終わりのはずだからもうそろそろ終盤モードに違いない。
楠の久保旅籠跡といっても殆ど石垣だけだがそこを過ぎると、水場があった。
山の水を飲んで一服しよう。
「この水おいしいね」

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あとちょっとだ。
「げっ、又又急坂の下りだ」足をひきずりつつ降りる。
円座石(わろうだいし)まで来た。
見上げるような大きなひとつ石に梵字が彫ってある。こんな石があるということからして不思議ではある。
これは何かと言うと、神々が座って談笑した時に座布団代わりに敷いた石だそうだ。
私は字には力があると思っている。思いを込めて書かれた字には力が宿るのだ。それが特に梵字であると
一際力を増すかのようだ。
要するにここもパワースポットなのだ。つまり逆行でこちらから大雲取越をする時のパワースポットの入口
というわけだ。

「やっと28番やで」14.5kmを歩ききったのだ。

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8時間かかっているから標準タイムよりは多いが軟弱だからしょうがない。
とうとう終わりだ。民家が見えてきた。
民家の間を抜けていくともう真下に大きな道と川が見えている。今日の宿の「小口自然の家」の看板もあった。
今は多分ここくらいしか宿はないと思う。
長閑な村里だ。日はまだ暮れてないが山に夕霧がかかって画になる景色になっている。
とぼとぼ歩いている間に後ろから来た人に追い越された。この人はアスリートではなくてごく普通の山歩き
の人だった。

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ここまで来ると「明日も頑張って小雲取越に挑戦しようかな」という気持ちがちらりと頭をよぎる。
山の険しさは大雲取越の方が上だが、画題になる景色と言うと雲海などがよく見えて、もしかしたら小雲取越
の方がいいかもしれないと内心思っていた。
しかし、今日たまった腰や足へのダメージが明日噴出して山道の途中で動けなくなったらいろんな人にえらい
迷惑をかけてしまいそうだ。やっぱりあきらめよう。
その代わり、バスで本宮大社まで行って、お参りして終わりにしよう。
と決めた。そうなるとここから本宮大社まで行くバスがあるかどうか調べておかないといけない。
チェックインして、「明日、本宮大社まで行くバスありますか?」と宿の人に確かめると、
「明日朝9時のバスで神丸まで行ったら、待ち時間0分で本宮行きに乗れるよ」との事だ。
「後でメモ書いといたげるから」と親切だ。
しかし、一日一便のこのバス、待ち時間0分で乗り換えできるのだろうか?
結構不安だ。実はこの不安は別の形で的中した。それは明日の話やけど。
この小口自然の家は廃校を利用した宿泊施設だそうで、平屋で長い。しかも満員だ。団体客が入っている
らしい。玄関をでると、庭ではなくて校庭だ。
山に囲まれたのどかな小学校という感じで校庭の端の方に神社がある。
「明日のバス停確認しとこ」
散歩が終わり部屋に帰ると、「寒い!」部屋のエアコンをつけないと我慢できないほど冷えてきた。
寒い夜になりそうだ。
腰のストレッチ体操をやって明日に備えよう。

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