熊野古道の旅ー11.越前峠を登り、胴切り坂を下る

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昼の弁当は宿で作ってもらったものだ。おにぎり弁当だがこんな時にはありがたい。
道中に食事をとるような店は一軒もないし、自動販売機すら期待できないというのは分かっていた。
この地蔵茶屋跡で道中の半分をすこし過ぎるくらいだから殆どの人が昼食をとるようだ。
しかし、水も出ない。勿論お茶は用意してきている。宿で入れてもらったやつだ。

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おにぎりを出ない元気を奮いたたせて、又出発だ。
林道からすぐに古道に入る。地図を見ると石倉峠から越前峠まで一気の登りだ。
「今までよりきついかもしれんなあ」
弱気が出て来た。ギックリ腰はなんとか持ちそうだが、腰のあたりに心配とつかれがぎっしりと詰まって来た。
腰だけではなくて腿の付け根も痛くなってきた。
ハーハー、とぼとぼと一歩ずつ歩いていこう。
森の中は明るくはないが、先ほどほど妖しくはない。しかし、石段はさっきより尖って不揃いで実に歩き難い。
汗をしたたらせながらあえいでいると、むこうからさわやかさが、「ヒュッ」と降りてきて、
「こんにちは」と明るい声でいいながら、風のように通り過ぎていった。
気が付いたら背中が見えるだけだ。
体にぴったりのアスリートの上下をつけて荷物も殆どもってない若い女性だ。
「クロスカントリーかなんかの練習かなあ?」
「仙人みたいな歩き方してんかなあ」
今見たものが到底信じられない。

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我々のようなどたどた歩きではなくて、石の上を飛ぶようにひょいひょいと身軽に踏んで走っている。
それを見ているとおのれの不甲斐なさがかなりみじめになって来た。
しかし、現実だからしかたない。
あそこまでいけるわけはないが、帰ったらもっと己の体を身軽にして、歩き方も研究して、もっとシンプルに
生きれるようにしないといけないと反省する。
石倉峠をすぎると下り始めた。後に登りが来るのがわかっているからできるだけ下りたくない。
しかし、どんどん下る。「堪忍してくれ」
林道をまたぐと又登りだ。登って登って又登る。
「いつ終わるんや」

このあたりでは歌碑が目立つがじっくり見ている心の余裕がない。写真にとっておいて後で鑑賞しよう。
20番の道標がでると越前峠だ。特別な見晴らしもなにもない。坂が上りから下りに変って行くだけだ。
ここからら殆ど最後までの大きな大きな下りだ。
この大下り、胴切り坂というそうだ。なんとなく物騒な響きだが、それも無理がないと思えるほどきつい
下りだ。丸太を横に並べて階段にしているが、石がごろごろの段差が歩きにくい。
なさけないことに足に応える。
「明日の小雲取越はやめとこなあ」
とうとう弱音がギブアップ宣言に変わりつつある。
「風のゆく梢の音か瀬の音か下りの道は心たのしも」土屋文明の歌碑があるが、全然楽しくない。
斎藤茂吉や土屋文明達は輿にのって来ているはずだ。そんな句もある。

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