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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-39、Jorsale(ジョルサレ)で昼飯。

さて、ゆっくりついでにここで昼飯を食う。 やっと日本食を脱してネパール食を食える。ネパール食っていうてもここらへんは 欧米のトレッカー中心が主要客層みたいやから欧米食がメインになってるんで メニューをみてもそれらしいのはダルバートしかない。

この日もチキンカレーのダルバート、ということでご飯のよこのスペースに ダル(豆)スープやカレーや野菜のおかずを少しずつ乗せて混ぜ混ぜしながら 食べる。青い野菜はこのエベレスト街道を歩いてると必ずみかける青梗菜畑で とれたやつだ。このへんの青梗菜は柔らかくてとても美味しい。 それにしても、往路に来たときは行き帰りのトレッカーで店中が賑わってたのに 今回はほとんど誰もいない。もう昼ごはん時分をかなりすぎてるかもしれん。 誰もおらんかったらちと寂しい。

では元気をだして又歩こう。ここと今日の行き先パグディンとは共に標高2600メートルほどで 標高差はほとんどないけど、途中にかなりの起伏がある。途中のモンジョまでの 間にかなりきつい峠があるはずだ。来る時は3時間ちょいかかったんで、帰りは バテてる分もっとかかるかも、今は14時やから17時をすぎるやろうとおもう。 要するにかなりバテてるんで足腰が重い。 でも、荷物は先に行ってるんで行くしかない。 ここからはずっと川沿いに歩く、右に渡ったり、左に渡ったりスチールの吊り橋を 渡りながら行く。道は石がゴロゴロなんやけどロバやゾッキョが踏み固めるせいか 結構歩きやすい。そういえばやっぱり日曜日のせいかロバやゾッキョの行軍が 全くない。そして雪がないとこも彼らのウ◯コが見あたらへんと言うことは、 誰かが掃除してるんか? すごい事だ。 狭い谷底の両側は巨大な山が続いていて、その更に奥には雪と氷を頂く、ヒマラヤ の山々が連なっている。 やっぱりここはエベレスト街道なんやと思いながら歩くことができる。空は晴れて Tシャツで歩いてても汗ばむくらいだ。昨日までの雪空が嘘のようやんか。長い急な 下りを長時間歩いてきたんで、ギックリ腰がではじめてるんちゃうやろか、腰と 腿が固まってきたんでギクシャクと歩く、雪道でもないのにストックに頼るのが ありがたい。どうしても仲間に遅れがちだ。 もうしわけないけどゆっくり行こう。 村はずれを通ると、かならず農家があって、野菜を作ってたり、ゾッキョやロバを 飼ってたり、何もなかったりとそういう風景がとてもいい。

しかし、腰と心に余裕がないんで写真も撮らへんし、頭の中にスケッチをすることもない。 只々黙々と歩くだけだ。 15時30頃、水分補給で休憩した頃は風が吹いて大分寒くなってきた。薄手のセーターを 出して着る。 あとどんだけ歩くんやろ、又、一吊り橋を渡って、向こうに集落が見えた時、 あそこが今日の目的地ですよとガイドさんに教えられた。 もう足がパンパンや、もうちょっと頑張ろう。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-38、Jorsale(ジョルサレ)へ。

登ってくるトレッカーたちとすれ違う度に「ハッピーホーリー!」って声がかかる のはええんやけど、顔にべっとりの絵の具が気になる。それ以外にもシェーバーの 刃が痛んでしまってヒゲの剃り残しがいっぱいあるし、風呂は何日も入ってないし ボロボロなんやけど、顔くらいは洗っとこうと、山道で流水があったのを幸いに さっぱりと洗い落とした。 さすがにしばらく村落はないんで、もう色粉を塗りにくる子ども達は現れへんようだ。

わしらの荷物を運ぶシェルパ族のお兄さんも待ってくれている。

実は、ここで決断をしないといけない。今日はエベレストを見るチャンスを稼ぐ ために9時すぎまで出発を伸ばしたんで途中のジョルサレかモンジョで泊まるように しようということやったんやけど、わしらのペースはそれほど悪くないと判断 したのかガイドさんの提案では、当初の予定通りにパグディンまで行ったらどうやろ? ということだった。その違いは何やと言うと今日しんどいか明日しんどいかの 違いだ。今日はどっちみちしんどいんやから明日は少し楽な方がええような 気がする。パグディン到着はかんり遅くなりそうやけど頑張ろうといくことに 決めた。もっと後で決断したかったけど、ポーターさんはここから一気に目的地 まで行くんで荷物をどこまで運ぶか今決めないといけないのだ。 今日も又長い1日になりそうやけど頑張ろう。 ということで二つ吊り橋までやってきた。

この坂道は急やったんで登りもしんどくて時間がかかったけど下りも時間がかかる。 やっと降りきって振り返ってみる。

時間はもう昼ちかい。3880メートルから2600メートルあたりまで一気に降って 来たのだ。足や腰には下りの方がダメージがある。しかも最初はこけまくったんで もっとダメージがある。体が固まってゴリゴリしてる。降ってる時は下りのほうが きついと思う。 ぐちゃぐちゃぶつぶつつぶやいてるうちにやっと人里が近づいた。

ここで休憩してお昼を食べる。

やれやれ。とりあえずお茶を飲もう。

来た時はロバに乗った怪傑お婆さんがいてえらい盛り上がったし、村の人たちも 外で賑わっていたけど今日は日曜日やからかけっこうひっそりしてる。

ストーブって置いてあるだけで気持ちが落ち着くようなのがおかしい。 今日のお昼は勿論ネパール食、ダルバートだ。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-37、二つ吊り橋へ。

さて、熱いお茶をのんで休憩したら元気がでた。可愛いお嬢ちゃんと話もできた。 こんな小さいのに学校で英語の勉強もしてるらしい。すごいなあ。

店をでるといよいよナムチェ・バザールの村を出て行くことになる。村を出たら もう雪はないやろと思ってたらまだ残ってる。今日は日曜やから荷物運びの動物達は 来ないのだそうだ。それに高度はまだ3400メートル、雪は溶けるはずがないんと ちゃうやろか。

しばらく歩くと子ども達が道にたむろしてる。なんやろ?

手に手になんか持ってる。わしらに何かしようと待ち構えてるみたいな雰囲気だ。 ガイドさん曰く、今日はホーリー祭というお祭りの日らしくて、誰彼なく色粉を 塗りたくり合ってそのお祭りを祝うらしい。 わしらはうまい具合にカモが来たというところだ。

写真を撮らしてもらったり、声をかけたり、手でちょんちょんしたりしながら さりげなく通り過ぎようとしたら、前の2人はするりと通り抜けれたのに、わしだけ 子どもにとうせんぼされて動かれへん。待っとけ、待っとけといいながら手に 色粉をつけてる。えらいことになったわって思いながらも、まあお祭りやから しゃあないわとあきらめて待ってると、顔にべっとりとそれぞれの子どもが色んな 色を塗りつけてくれた。 ありがとう。「ハッピーホーリー!」って言いあうらしい。 では先ゆく仲間に追いつこう。

道はまだまだ雪がついてるんで気をつけないといけない。これくらいの凍りかたが 一番滑りやすい。時々、つるっと足が滑る。バランスを崩してこけることもあるけど ストックがあるんでさっきほどではない。それにしても靴の裏が心配になってきた。 こんなとこでペロッて剥がれたらどうしよう。 苦労しながら歩いていたらくる時も大休憩したビューポイントまでやってきた。 トイレもある。歩いてる時はあんまり他人を見かけへんかったのに休んでみれば かなりの人が集まってる。ここでもハッピーホーリー!」って笑顔で声がかかるのは わしの顔にいっぱい色粉が塗られてるかららしい。 そろそろ道に雪がなくなってきた。

ここから、二つ吊り橋までは急な下りだ。雪がないのはとてもありがたい。ついでに 道の真ん中に点々と落ちて居た、ゾッキョやロバたちの落し物もすっかりなくなってる。 誰かが掃除したはずもないんで雪がきれいに溶かして持って行ったんやろか。 こんなに道が綺麗になるとは思わへんかった。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-36、ナムチェ・バザールへ。

雪が凍って滑って、滑ってしょうがない道をこけながら降りて行く。この道は ゾッキョやロバが通ってないんで通行で雪が溶けることはないんやろと思う。 荷運びのロバやゾッキョは居てへんけど斜面で遊んでるのをくる時に見た。帰りに 見たのはヤクだ。

最初は毛深いというより黒い剛毛の塊みたいなんが斜面をうろついてるんでびっくりした けどようみたら動物やった。 横目で見ながら慎重に降りる。

先にいくのはポーターのお兄さんだ。雪道なんかものともしないでスイスイ降りて行く。 やっと最初の急坂を下りきって学校のところに出た。

ナムチェ・バザールまではまだ大分降りやんとあかんのだ、

そっからさきも、倒けつ転びつ、やっと村が近づいた。

最初に見つけた村の雑貨屋さんで真っ先にストックを買った。やれやれという思いだ。 うれしい。家に帰ったらちゃんとしたんがあるんで、ここでは一番安いバッタもんで ええからそれを一本買おう。見た目には有名ブランドの名前が入ってるけどどうも 妖しい。値段も一本900円、どう見たってバッタもん、よう見たら中国製やった。 こんなとこにも中国製がバンバン入ってきてるんやなあって驚いた。まあ、隣の 国やからどうでもなるか、そういう世の中だ。 ここから先はかなり安心、随分歩きやすくなった。 元気よく歩いて、村の中に入る。

一軒の茶店の前でガイドさんが停まった。 ここで休憩という。嬉しい。ほっとする。やっぱりこけながら下りてくると とても体力を消耗する。疲れが倍ほどある。 熱いお茶を飲んで休めるのがとても嬉しい。 可愛いお嬢ちゃんたちが恥ずかしそうに迎えてくれる。

なんかないかなあってポケットを探ると飴ちゃんがあった。それをあげる。2人に 同じ数だけあげないといけない。にっこり笑って受け取ってくれたけど、舐めてみて 苦い顔をされた。よう見たらハッカの飴やった。失敗、失敗、でも他にはない。 今度は甘いのを持ってくるんで御免なさい。 そのうちにお茶が出て来た。

普通は砂糖を入れへんのやけど疲れたんで甘くして頂こう。 とても美味しい。生き返るではないか。 さて、まだまだ頑張らんとあかん。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-35、シャンボチェの丘を降る。

では、とうとうエベレストが見えたし、気分良く帰ろう。と言うても心配が無いではない。 この2日間で雪がびっしり積もってるはずだ。ふかふか雪やったら大した問題は 無いけど凍ってたら大変だ。まさか要るとは思わへんかったけど、アイゼンやストックを 持ってきてたらよかった。友人はストックを持ってきたけどわしはそんなん要らんわって 思ったのが運の尽きみたい。 特にナムチェ・バザールに降りる最後の急坂が大問題だ。 心配しても始まらんからまあともかく出発しよう。

最初は快適だ。丘の上をトラバースする道は殆ど高低差はないし、新雪を踏んで 歩くのはとても気持ちがいい。

やっと晴れたんで人が動きはじめている。

眺望がとても良い。 あれはタムセルクという山かな? ずっと見て来たはずやのになかなか名前を覚えられへん。

こっちは、コンデ・リという山らしい? この山はこれから先もずっと見ていくはずだ。

どれも素晴らしい。姿が美しい。 なんて気持ち良く歩いてるうちに見る見る霧がでてきた。

山にもあっというまに雲がかかる。

見る見るうちに視界から消えて行く。 このロッジを曲がって、

この雪原を越して行くと、

急勾配の降り道が始まる。

下にナムチェ・バザールの村が見える。村も道も雪でびっしりだ。見ただけで恐ろしい。 登ってくる人がいてるけどしんどそう。 どうやら凍結が始まっている。やっぱりストックを持ってきたらよかったなあ。 慎重に降り始める。急坂であっても雪がなかったら特に問題があるほどではない。 こういうところは日本でもいくらでもある。しかし雪があって、所々、凍ってるから 厄介だ。氷の上でスリップせんように気にしながら歩くとかえって体が硬くなる。 そして、いくら気にしてても滑る時は滑る。ツルリと滑るとドンッと背中から 落ちるんでとても痛いし、結構体にこたえる。一度や二度ではない、何度も繰り返すと ダメージが積もってだんだんバテてくる。 こけながら降りるんは辛いなあ。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-34、エベレストが見えた!

よっしゃー!! とうとう見えたか!

びっくりした、えらい大きい。 いままではこの写真みたいな景色して見えてなかった。

この谷間の奥にある小さな三角の山の少し上あたりにちょこっと遠目の富士山くらいに 見える程度やろっておもってたら、こんなにでかいのだ。

この真ん中にある一番奥の三角山がエベレストなのだ。右はローチェという山らしい。 屋上テラスの方がよう見えますよってガイドさんが言うのも気にしないほどいれこんで 見入って写真をとりまくってた。しばらく見てたらだんだん冷静になってきた。 「やっぱり屋上に行こうか」、部屋のテラスやったらスリッパでええけど屋上やったら 靴を履かんとあかん。面倒かな? ここでも十分見える? そんな場合とちゃう、 やっぱりええ場所でしっかり見とこう。 ロビーの狭い階段を登って、屋上のテラスにでる。 すごい、360度の眺望だ。

一気に雲が晴れて、エベレストだけではなくていろんな山が見える。

なんと素晴らしい眺めなんやろ。

おや、先発隊の迎えのヘリが飛んできた。今日は順調な1日になりそうだ。 彼らも先にこの景色を見たらしい。よかったよかった。 なんども息の飲んで、この壮大な景色に感動する。

いつまでも見ていたい。しかし、昨日まで2日間雪に降りこめられて、何も見えへん、 今朝もついさっきまで雲でいっぱいやったのに、一瞬でこんなに晴れ渡るなんて 奇跡みたいやんか。まさか最後の最後にこんなことが起きるなんて。 あっち向いたり、こっち向いたり、写真撮ったり、スケッチしたり忙しい。 けど、嬉しい。 感激してるうちに雲が湧いてきた。ええことはいつまでも続かへんのか? そろそろ9時近い、わしらも帰り仕度しようか。 ヘリ組は乗ったら10分かからんとルクラに着いてしまう。わしらは2日かけて ルクラまでいく。これは考え方の問題か、貧富の差か。 まあ、そんなことはどうでもええ。

なかなかええホテルやったなあ。

お世話になりました。 気分は上々、浮き浮きとして帰路につく。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-33、エベレストビューホテルの朝再び

さて、エベレストビューホテル最後の夜は殆ど眠れなかった。前の晩にエベレストが 一瞬見えたというんで今晩もチャンスを逃してあかんし、もしかしたら朝方に チャンスが来るかもしれんと寝そうになっては起き出してはカーテンの外を覗いてと いうのを繰り返してたし、昼間あんまり動いてへんから疲れてへんかったし、 ダイヤモックスのおかげで高山病症状は出えへんかったけどやっぱり高山にいると それだけで疲れる気がするけど眠くはならへんかった。 それに一番の原因は酒を飲んで無いことだルクラついて、エベレスト街道を歩いて もう4晩、酒をのんでない。飲みたいけど怖い。それと眠れへんこととあんまり 関係ないけど同じく4番風呂に入ってない。高山病には風呂やシャワーで心臓に 刺激を与えるのがかなりよくないって言うんで旅行会社の人からもきつく注意 されていた。途中のロッジはトイレもシャワーも共用だったんで、寒い中、震えながら 入るのはむしろ嫌やったけど、このエベレストビューホテルはとても快適だ。 各部屋にトイレもシャワーもあるし、湯船すらある。思い切って入ってしまおう とも思ったけど、酒もがまんしてることやしやっぱりやめとこうと我慢した。 着替えだけは時々したけど、下着が結構体にまといつくような、昔の学生時代に 戻ったかのような、・・・・・・・・・、早くカトマンズに戻って風呂に入りたい。 そんな夜が終わって朝が来た。 雪がやんで明るい朝ではあるけど雲はなくなってない。 エベレストはまだ見えない。 仕方ない朝飯でも食いに行こう。 今日はおかゆらしい。

おかゆと味噌汁と目玉焼き、美味しいといえば美味しいけど、ネパール飯が懐かしく なってきた。今日は帰りやから途中は絶対ネパール飯だ。 ご飯を食べた後、ガイドさんと今日の予定を話し合う。 今日は晴れそうやから、エベレストが見えるチャンスが期待できる。そやから、 出発を9時ギリギリまで伸ばそう。状況次第ではまだ遅れても大丈夫、今日の行程を 短くして、明日たくさんあるけばいい、チャンスを待とう。 そういう計画だ。元より異存はない。因みに、雪も風も止んだようやから、ヘリは 出るようだ。ヘリの人は予定通り帰らんとあかんからチャンスはわしらの方がある。 食堂から外にでると、ヘリで帰るひとたちは帰り支度を整えてスタンバイに入ろうと してるようだ。昨日帰れなかった人たちも今日は帰れると喜んでいる。しかし、 ここのルールでは、今日帰る予定で予約してる人が優先されるようだ。帰れなくて 残った人はそのあとになるという。万一先発隊が帰ってしまってあとで天気が悪く なったら又居残りらしい。先入れ先出しルールとはちがうのだ。大変やなあ。 今日はわしらの方が自由がきく。でも晴れへんと意味がない。 部屋にもどると、どんどん明るくなってきてる。

こうしてみるとええ部屋やったなあ。大きな部屋に巨大なベッドが二つ、二人 入って余裕がある。窓も大きい。 そろそろ見えてほしいなあって部屋の窓から外をみたり、部屋のベランダから その方角をみたりしてるうちに結構疲れた。気分転換に一旦外のベランダでも 覗きにいくかなんて友人と言い合ってたら、ガイドさんが飛び込んで来た。 「見えたぞ!!!」 慌てて、部屋のベランダに出る。

確かに見えた。えらく大きい。想像以上にでかい。 あれがエベレストか、やっと見えた。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-32、エベレストビューホテルで晩御飯。

暇やからあちこちうろうろしてる。そのときはスリッパを履いてるんやけど、ちょっと ベランダに出たりする時はトレッキングシューズに履き替える。面倒ではあるが 時間はいくらでもある。手間を省いても何の得にもならん。そうこうするうちに ちょっと気になることが出て来た。 どうもトレッキングシューズがおかしい。全く手入れせんと何年もほったらかし のやつを確認もせんと履いてきた。ようみたらかなり痛んでるやないか。底皮も 何箇所か隙間ができてる。もしかしたら履いてるうちにベロって剥がれるかもしれん という恐れがあるような気がする、実際えらいことになったんやけどそれは後の話、 今のうちにガムテープかなんかで補強しといた方がええやろか? ここまで何とも なかったんやしもうちょっとやからいけるんとちゃうやろか? いやいや折角 いいホテルに居るんやからここで頼んだらテープぐらいはあるんとちゃうやろか、 暇にまかせていろいろ悩みはしたものの結局はグズグズと何の行動もせんとその まま置いてしまった。 外は相変わらず雪。

時々雲がすーと引いて明るくなる兆しがするときもあるけど長くは続かへん。 部屋の外も結構積もってきてる。

こういう雪景色も決して悪くはないんやけど遠路遥々ここまでエベレストを見に 来たということを考えるとちょっとつらい。 本ももう残り少ないというか1冊しかない。 松本清張の「霧の会議」というやつだ。しかも、上巻しかないやんか。それで 最後回しにしてたけどとうとうこれしかなくなった。今となっては、古臭い推理もん なんやろけどまあええか。 ところがこれがまたとても面白い。 舞台はロンドン、霧のテームズ川に死体が浮かぶ。これは誰だ。イタリアから 来たマフィアらしい。バチカンの法王庁をめぐる裏金作りと、隠し資金、マネーロンダリング の闇は深い。そしてそれを見ていたのは日本人の男と女。夫婦のようで夫婦でない。 不倫なのか。女の方に深い事情があるらしい。事はもつれもつれてヨーロッパへ、 パリからカンヌ、ニースそこから更に・・ 古臭いどころか今でも通用するような新鮮感がある。 とても面白い。天気の事を忘れて一気に読んでしまったけど、下巻がない。そんな あほな。ここで中断は情けない。帰ったらすぐに読もう。 という事であっという間に晩飯の時間になってしまった。 晩御飯はステーキ。

ネパールの牛は水牛なんでステーキは美味しいと思ったことはないけど、ここのは 水牛ではないんやろか結構おいしい。 デザートもある。

これも美味しい。 さて、夕方になって少しは晴れてくるかな?

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-31、エベレストビューホテルで昼ごはん。

ブログを読んでる人も退屈やと思うけど、わしらはもっと退屈やった。何もすることが ないんで食いもんの話ばっかりになる それはそうと、ヘリで帰る人たちはとうとうキャンセルになったようだ。何度か スタンバイ状態になったようやけど雪が降りしきってきたんで結局はあきらめざるを 得ない状況になってしまった。もちろん帰れないということは今日ヘリで来る 予定の人たちも来れないというわけで、部屋が不足して入れないという事態には ならない、よう考えたらようできてる。 ということでだんだんと雪がひどくなってきてるんでわしらも今の所僥倖に期待は できへんから本でも読むかと言う話になる。 本棚にはもう既に残り少ない。図書館でもないし、本屋でもないんやからしょうがない。 日本でもよくユースホステルやらペンション、民宿なんかに泊まったら読書室 みたいなんがあって沢山本が揃ってるのに感心することがある。でも、わしらは 読書して歓談したらええなあっていうお誂え向きの時間があっても酒を飲んで 酔っ払ってしまってるんでそういう楽しみを知らずに来てしまったし、自前でも 持参するという配慮も持ち合わせてなかったけど、ここにきて酒はない、本も少ない となるとため息がでそうだ。 で、残って居たのは「いま生きているという冒険」というやつだ。

すごい冒険家みたいだ。単独でインド旅行に行ったことをきっかけにか冒険旅行に はまってしまってアラスカを一人旅したり、北極や南極を縦断する若者たちの 国際プロジェクトに参加したり、挙句のはてはチョモランマ、あそこにある、 もうすぐわしらが見るエベレストのことやんか、に単独で登ったりとほぼ極端な 冒険旅行をしてきた記録だ。古式航海術を極める男について船に乗り、あわや 命がけという旅もある。暇つぶしにはとてもいい。読みやすくわかりやすい。 文学としてどう? なんて偉そうなことは言われへんけど、普通やったら読まへん ような本ではあったなあ。惹き込まれるというよりは、「あら、そう?」という 感じで読んでしまいそう。それもまあ時計はきちんと進んで昼ご飯が近くなった。 不思議なことに何もせんでも腹は減る。 昼ご飯は何やろ? って楽しみにもなる。

今日のお昼はうどん定食だった。うどんとトースト、ええではないですか。 ネパール料理というかネパールのチベット料理にトゥクパというのがあって、 それはうどんのようなラーメンのような足して2で割っても割り切れへんような 微妙な味わいの麺があるけど、それよりははるかにうどんに近いというたら失礼に なりそうだ。要するに日本のうどんそのものが出て来た。味は悪くはないけど、 横のトーストと中途半端さがちょうどバランスがとれて、昼飯にはええかもしれん。 腹が減ってることもあってすんなりいただいた。 デザートもある。

コーヒーを飲みながらゆっくり甘いものを頂く。 おや、ちょっと晴れてきたんとちゃう?

あの奥にうっすら見えんのはエベレストちゃう?

いやいやちゃうちゃう!

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-30、エベレストビューホテルに朝が来た。

朝が来た。実は3時半頃起きて天気を見た。晴れていれば遠くが見える可能性がある。 しかし、残念ながら雪が降る曇り空しか見えなかった。仕方ないと寝直す。 この晩は予想どおりあんまり眠れなかった。ダイヤモックスを半錠ずつ1日2回 飲んでるんで高山病の症状はほとんど出えへんけど酒を飲んでないし、昨日の 行程は4時間ほどで短かったせいかあんまり疲れてへんのもその原因やと思う。 部屋は2人部屋やけどベッドは大きいしとても快適だ。 それでも睡眠不足で体が重い。時間がきたんで朝飯を食いにホテルのレストランに 行く。皆さん集まって、なんだか騒がしい。 どうも、昨夜、エベレストの写真を撮った人がいるらしい。昨夜22時頃までずっと 外の景色をチェックしていて、ほんの一瞬、10分ほど晴れた瞬間があったらしい。 その時すかさず写真を撮ったらしくて皆さんが見せてもらっているのだ。 すごい。運がええのか、狙いがええのか、羨ましい。昨夜のチャンスはその瞬間だけ やったらしい。 他の人共々、今日こそわしらもちゃんと見るぞと決心を新たにして朝飯に向かう。

今日は洋食メニューだ。(ネパール食がええけどなあ)

もちろんこれはこれでとても美味しい。オムレツの焼き方がうまい。それにパンが 美味しい。ここで焼いたのか? あるいはナムチェ・バザールからここまで運んだのか? どうしたんやろ? 外を見ると絶望的な雪景色。昨日より更に積もったんとちゃうやろか? それで、今日はどうする? どうなる? ガイドさんと相談する。当初の予定の絶景ビューポイントであるクンデピーク4200メートルまでは この雪では行けないし、行ってもなにも見えない。イエティ(雪男?)の頭皮があるという クムジュン村に行って観光するというのは雪の中ではできなくはないけど、それで チャンスを浪費するよりは、ホテル内に居てちょっとでもエベレストが見えるチャンスを待つ 方が得策ではなかろうかと言う話で、もちろんわしらも異存はない。 見えるもんならホテルの窓から見えると言う、こういう天気ではむしろ理想的な ホテルに居るんやからその利点を生かすしかなさそうだ。 他のチームも同じ考えのようだ。 それはそうとあの元気なチームの中の一人が昨晩、ちょっと調子を崩して酸素を 吸ったそうだ。 本日ヘリで帰る人たちは、一応は帰る支度をしてスタンバイしてはるけど、この天気やと 多分無理だという。1日伸びれば滞在費はどうなるんやろ?わしはセコイことを 考えてしまう。 長い1日が始まりそう。 とりあえずわしらは本でも読むか。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-29、エベレストビューホテルで晩飯

て、待望のエベレストビューホテル滞在が始まった。と言うても窓の外を見た ところで雪ばっかりなんで何の感動もないけど、今か、もう直ぐか、もうちょ待ったら とかグズグズ期待ばっかしで時間が経っていって、まんざらとことん暇という訳でも ないのが不思議だ。と言いながらもやっぱりすることはないんで飯でも待つしかない。 本を読むのも飽きてきたころ、やっと晩飯の時間となった。カトマンズで晩飯食ってた時に ふとこのホテルの話になって、あそこの晩飯はフルコースやから山小屋離れしてるよなあって 聞いた。どんな晩飯かとても楽しみだ。 夜になったら寒いんで、食堂の暖炉に火が入っている。薪がパチパチと燃えるのを 見ながらそれを取り囲んで皆がうだうだ喋るは楽しい団欒だ。 わしらと前後して同じコースを来た人たちは、老若混合、元気一杯の人たちで 高山病も平気らしくて夜になったら酒を飲むから羨ましい。それもそのはず、 明後日にはわしらは歩いて帰るけど彼らはヘリで帰るらしい。歩いて来た道は 歩いて帰りたいと思うけど、ちと羨ましい。 もう一組団体が居てる。わりと年配の人たちばかりやけど元気、元気、こちらも 高山病に強いらしく、がんがんお酒を飲んではる。ヘリで来て、明日ヘリで 帰るらしい。今日の朝までえらいええ天気でエベレストがくっきり見えてええ写真 とれたでとご満悦だ。とても羨ましい。 外国人の方もおられた。ナムチェ・バザールに1ヶ月ほど滞在中のオランダ人の人で 明日からはタンボチェから向こうをトレッキングするために途中休憩してはる らしい。このホテルは外国人(日本人からみて)やったらツアーでなくても宿泊 できるらしいという噂は本当みたい。 なんだかんだとガヤガヤしてるうちにご飯ができた。

フルコースというわけではないけど、定食風にいろいろとおかずが揃っている。 これがメインかな? チキンのソテー?

お汁も来て、

これで揃った。

これでお酒があれば完璧なんやけど、わしらは高山病を気にしとこう。 また日本食かと残念な気もするが、3880メートルの高地に山小屋ではなくて、 ちゃんとしたホテルがあってそこで普通に日本食が食べれるというのはこのホテル の大きな売りの一つでそれを喜ぶ人が多いのは当たり前で文句を言う筋合いではない。 それに、お味はとても美味しい。チキンは味が濃いし、どれもまるで日本で食べる かのように美味しくバランスよく仕上がっている。 シェフはもちろんネパールの人だ。 すごいなあ。 ということで、高山病の影響で又不眠がやってくるかもしれんけど、明日の晴れを 期待して静かに寝よう。

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京都、「みやこめっせ」で篆刻グループ展

京都まで月に2回篆刻を勉強に行っている。篆刻の技は一向に上達しいへんけど、 そこの仲間達とランチに行ったり、ベチャクチャと比較的どうでもええような 事どもを交流するというのが楽しくて続いている。そういうええかげんな勉強でも 時には、というと2年に1回くらいなんやけど、グループ展をやるという話があって 作品を大わらわで作らんとあかん事がある。先生は京都市内で手広く教室を開いて はるんで参加総数は70人80人と大変な数になるらしい。 それやったら偶にはちょっとまじめに作品を作ってみようかと思った。 ふだんが不真面目というわけではないけど作品というからにはそれなりにストーリーが 要るではないか。 とりあえず石を彫るのがスタートだ。幸い、前に中国の杭州で買ってきた変則的な 結構大きな石が手元にある。これやったら短い漢詩を全文載せることができるかも 知れん。 ちょっと色々策を練ってみて、李商隠という人の「楽遊原に登る」と言う詩がええんでは ないかと思った。五言絶句やから5x4=20文字で全文入れるにはちょうどええ 大きさだ。さっそく挑戦してみたら、大きさはともかく変則的な石やからなんか、 安もんの石やからなんか、節みたいに硬いとこが随所にある。そういうとこは なかなか、文字通り刃が立たたん。つるりと滑って字にならん。それでも強引に 彫っていくと手が痺れてきた。 詩はこんな具合だ。 楽遊原に登る 晩(くれ)に向(なんなん)として意(こころ)適(かな)わず、 車を駆(か)りて古原に登る。 夕陽(せきよう)無限に好し、 只、是れ黄昏に近し。 これはちょっと絵になりそうだ。篆刻の作品やけどわしは水墨画をやってるんで 水墨画を添えよう。 ちょっとええ感じになってきた。 只の自画自賛。 でついでに遊印として木印で彫ったやつを押しとこう。 「山気日夕に佳し」 陶淵明の「飲酒」詩に出て来る句だ。 側款も重要だ。 側款というのは篆刻作品の横に作者の名前や彫った意味、意図なんかを記入して、 印を押すんではなくて拓本のように墨で拓をとるのだ。 タンポやブラシやいろんな道具が要るんでこれも一つの遊びになる。 「寂寥ノ心ハ過ギユク美の儚サヲオモフヤ 丁酉(ひのととり) 泥魚」 なんて書いてみた。 最近ちょっと側款にも目覚めたんで色々挑戦したいと思ってる。

ええかっこして見たけど他の人はもっとすごい。本格的なやつばっかりだ。 直ぐにも公募展にだせそうな作品ばっかり。 許可を貰ってないんで残念ながらブログには載せられない。 因みに沢山の人が見に来てはった。こういうマイナーな世界では出展者の誰かと 何らかの関係がある人が殆どなんで、今回もそうやからいかに関係者が多いかと いうことがよくわかる。それでもたまたま飛び込みで来はるような勇気のある人 もいてそういくきっかけで世界が広がることもあるから面白い。 我なの仲間の小作品を持ち寄って遊んでみたやつも紹介しよう。

併せて一つの巨大な印に見えるかもしれんように作ってみたのが面白いかな?

こんな話をぐだぐだ書いても関係ない人には何の興味もないんやろなあって思う。 読んで頂きありがとうございました。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-28、エベレストビューホテルにて

さて、昼飯も食ったし、まだ日は長い。多分今日は外には出られへんやろ、ちょっと 外を散歩って言うても1、2時間歩かんとどこも行かれへんし、この雪やったら それも無理だ。ここでじっと沈没してるしかないようだ。 それにしても暇やなあ。 こんな時こそ、酒を飲んで、ヘロヘロになってうだうだ喋ってたら時間なんて すぐに経つのなあって友達の言い合う。しかし、残念ながら今回は、山中では 酒を飲まないって固い決心をしてるのだ。 外は雪。

しかし、時々雲がすうっと引く時がある。向かいの山の麓にある段々畑のように 見えるあたりはやっぱり畑なんやろか?しかし、あんなとこに畑を作って、植えたり 手入れしたり、収穫したりってできるんやろか? どこの誰がするんやろ? もしかしたら目の錯覚? しかし、そうは思えん。 雲が引いても、残念ながら、手前の山までであって、奥の方、エベレストがあると 思しきあたりは全く雲の中だ。

それでもじっと待ってるとそれなりに時間は経つ。 それでも退屈して、あっちにいったりこっちにいったり、酒が飲めんから珈琲でも 飲もう。

ポットに入れてくれるんで何杯でも飲める、そうはいかんけど3杯ほどは飲める、 けどええ加減、腹がだぶついてくる。 それで喫茶室を物色してたら本棚があった。多くはないけど何冊か本がある。 ここに持って来て読み終わった旅人が置いて行ったやつかもしれん。とりあえず 活字があったらええから読んで時間つぶしをしよう。 まず、「河畔に標なく」と言う本。

これはとても面白かった。ミャンマーが舞台で、中国、タイ国境を挟んで、金に 目が眩んだ男たちが闇の世界をひきずりながらジャングルを彷徨うというような 話だ。あんまり面白いんで帰ってからブログに感想を書いたんで機会があれば そちらを読んでいただきたい。これで何時間か潰すことができた。 次は、「世界一周子連れ航海記」というやつだ。

ヨットで単独世界一周に取り憑かれた作者が何年もかけて、結婚も離婚もいろんな 苦難を挟んで成し遂げるというような話だ。面白いけどあんまりヨットとか海の暮らし とかがわしの生活パターンと重なるとこがないんでもひとつ実感がわかへん。 それもあるし、山で雪をみながら海の話もなあって思いもする。 ひがくれて来たら、かなり奥まで見える時がある。

この真ん中の窪みのずっと奥の方にエベレストやローチェが見えるはずなのだそうだ。 手前の山は美しいんやけどね。

外を見はじめたら、そして時々雲が引き始めたら、いつまでも窓の外を見入ってしまう。 期待を込めて。けど、見えへん。 そろそろ晩飯かな?

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ありがとうございました。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-27、エベレストビューホテルで昼ごはん

降りしきる雪の中をやっとエベレストビューホテルに着いた。

えらい立派なホテルやんか。途中、途中で見て来た山小屋、ロッジなんかとは 全く違う。こんな山の中にえらいもんを建てたもんだ。

このホテルは、日本人が建てたものだ。宮原巍という知る人ぞ知る人らしく、 山岳家、冒険家などをするうちにネパール、ヒマラヤに魅せられて、その挙句、 ネパールの国籍をとり、さらに議員さんにまでなったという、ネパールをこよなく 愛する方らしい。その人が、このシャンボチェの丘の端、エベレストが正面に見える 崖の上にこのホテルを建てたのだ。 とても居心地が良さそうだ。 何はともあれ、やれやれと一息つこう。

ホットオレンジ、ウエルカムドリンクが心も体も温めてくれる。さすがに、気が きいてますなあ、暖かくて甘い。とても癒される。気がきいてるねえ。 レストランといい、喫茶ロビーといい、とても広くゆったりと場所をとって、 居心地の良い空間を作ってるんで、まるで都会のホテルみたいだ。 因みに、ここの玄関のすぐそばにはこのホテル専用のヘリポートがあるんで、 ルクラから全く歩かんでもチャーターへりで10分かかんでここまでこれるらしい。 お金があれば楽ができる。ぱっと来て、ぱっと見て、ぱっと帰ることもできる のだそうだ。今回、道連れになった後発組の方々も、そういえばまだ着いてないなあ、 だんだん雪が激しくなるんで大変やろに、帰りはヘリでしゅっと帰るらしい。 で、一息ついたあとは部屋に荷物を置いて、じきに昼飯になる。 他にすることはなさそうやからゆっくり昼ご飯をいただこう。 レストランには暖炉がある。夜になったら薪を焚いてもらえそうだ。ええ感じやね。

外は雪、雪がなかったらここからエベレストが見えるんやろと思う。飯食いながら エベレストを観望できるホテルなのだ。

早速昼ご飯が出て来た。

親子丼だ。美味しそう。いつも旅行したら旅先のご当地もんが食いたいなあって 思って、日本食のご飯やさんに行く気はしないんやけど、出るもんが決まってて それが日本的なおもてなしと食事というポリシーのようやからそれはそれで、 ありがたく受け入れるべきなのだ。 文句を言わんと食うととても美味しい。鶏肉の味が濃いし、出汁もしっかりと 効いている。鰹節にホウレン草、味噌汁に漬物、日本茶、まるで日本にいるようだ。 デザートも出るし、

コーヒーも美味しい。

ご馳走さんでした。

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ありがとうございました。

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高山病爺さんがエベレスト街道を通ってエベレストを見に行くの記-26、シャンボチェの丘

雪が降ろうと雨が降ろうとしんどいことは早く終わった方がええ。一歩、一歩 足を上にあげたらそれだけ先に進む。本格クライミングみたいに絶壁必至で登る わけではない。息苦しいのは何歩かに1回、2回、大きく深呼吸したらなんとか いける。雪は本気で降ってきたんでそろそろ休憩を兼ねて雨具を取り出して着んと あかん。来る前に友人から、「アイゼンとか持って行かでええんやろか?」って 聞かれて、そんなん聞いた事ないわこの季節は絶対大丈夫みたいやでって簡単に 言い切ったけどまさかこんなことになるとは思わんかった。まあしかし、この 程度であれば今迄なんどもアイゼンなしで歩いたことあるし、何の問題もないと 思う。しかし、このまま降り続いてたら積もって固まってくる。ちょうど帰るころ そんなんやったらここの降りは大変やなあって思いつつ歩く。(実際帰りは大変 やった) 段々とガスってきて周りがよう見えへん。霧の陰からひょいと人が現れる。 あるいはひょいとゾッキョが現れる。

なかなか幻想的な風景でもある。それに道が分かり難くてもガイドさんがいてるんで 道を間違うことはないから安心だ。 下の方に見えにくいけどなにか鳥がいてるみたいだ。

友人のカメラは巨大な望遠レンズがついてるんでしっかり捉えられる。わしのは 眼では見えててもカメラには映ってへん。下の方ではヤクもうろついてるみたいだ。 もうここまでくると荷運びの隊列はいなくて、麓やこの山上で飼ってるロバや ゾッキョやヤクなんかが自由に散歩してるみたいなのだ。

そろそろ上り詰めたかと思えど、いつものようにまだ先がある。じわっと上の方に 小屋のようなコテージのような建物が見えて来た。一服してはる人たちに横を 抜けていくとだんだんと傾斜が緩くなってきたのがわかる。きついところは乗り切った ようだ。2時間かかってへんからまあ大したことはなかったのだ。後は多分、 ほとんどトラバース的な感じで高低差はないと思う。確かに歩いていて気持ちがいい。 雪の中もエエもんだ。

しかし、このまま雪が降り続いたら明日はどうなんのやろ、元気やったら4200メートル にあるクンデピークまで行くか、クムジュンの村まで雪男を見に行くかという オプションが実行できへんかもしれん。なんとか今晩中に降り止んで欲しいものだ。 それにしてもしっかり降ってるなあ。 風も強くなってきた。 ぐるっと回り込んだら雪の中にエベレストビューホテルが見えて来た。

やっと着いたようだ。

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ありがとうございました。

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